一部マスコミでも報じられたが、「日本の教育を考える10人委員会」が9月11日に「提言」をプレス・リリースした。
同委員会は佐和隆光(立命館大学政策科学研究科教授及び京都大学経済研究所特任教授)を委員長に、市川昭午(国立大学財務・経営センター名誉教授)、尾木直樹(教育評論家・法政大学教授)、小野田誓(社団法人日本PTA全国協議会相談役)、黒崎勲(日本大学教授)、斎藤貴男(ジャーナリスト)、佐藤学(東京大学教授)、樋口恵子(評論家・東京家政大学名誉教授)、宮崎緑(千葉商科大学教授)、藤田英典(国際基督教大学教授)、渡邉光雄(南相馬市社会福祉協議会常務理事(元原町市教育長))といった錚々たる(この形容はこんなラインアップのときに使うんでしょうね)10人のメンバーから成る。提言の内容については
同委員会のサイトに行ってください。
「提言」では「義務教育に関する国民アンケート」が拠り所の一つとされています。しかしながら、この「国民アンケート」なるものについても、規制改革・民間開放推進会議の答申に対するのと同じことを指摘しなければなりません。つまり、このアンケートもマーケティング・リサーチ会社(マイボイスコム)に外注して実施されたWEBアンケートなんです。果たして「国民」というカテゴリーで受けてしまって無問題なんでしょうか?
だが、その道の専門家たちをメンバーに含む二つの政策提言集団がいずれもそれを拠り所としているからには、統計学処女の私が知らない何らかの理由があるのかもしれないな。と思って教科書(盛山和夫『社会調査法入門』)をめくってみることに。
・・・念頭においておかなければならないことは、「われわれはすべての変数とすべての個体のデータを得ることはできない」ということだ。つまり、必ず選択しなければならない。その選択は、探究の目的にとって、戦略的に決められなければならない。
逆にいえば、探究の目的は、選ばれる変数と個体の属性とによって次のような制約を受ける。
(1) 収集できない変数は分析できない。したがって、データに含まれていない変数は探究の目的にとって関連性がないか非常に小さいとリーズナブルに前提できていなければならない。
(2) データに含まれていない属性の個体は分析できない。したがって、探究の目的と善にとっては、その属性による違いは無視してもかまわないとリーズナブルに想定できなければならない。
これが二大原則だ。(73-74)
ネット・オークション経験6割という母集団の属性は、たとえ国勢調査ベースにサンプル抽出したとしても、やはり「無視してもかまわないとリーズナブルに想定でき(る)」とは思えないんですけど・・・
「お前は空気が読めてない」と叱られるかもしれませんね。でも、そんな空気なんて糞喰らえ、です。
小異を捨てて大同に付く(中国オリジナルは「小異を残して大同に付く」、こちらのほうがいい感じ)を時務の論理として受け入れてもなお、そのこととこのこととは別の話なんじゃないでしょうか。